_1990年、秋の京都。
タイトル/Title

_1990年、秋の京都。

名前/Name
JO HEENAM
作品紹介/Description
私は元々服と写真が好きで、京都文教大学のファッションサークル「KASANEO」に関心を持つようになった。  KASANEOは既成世代の服とその当時の思い出を学生たちが譲り受けて、直接コーディネートをして、撮影をするサークルだ。 KASANEOは超高齢社会である現代社会で多世代の交流が必要だと感じ、その方法が「ファッション」だと考えた。高齢者は過去に着ていた服を学生たちに譲り渡し、衣服と共にその当時の思い出も伝える。 これを通じて学生たちと既成世代との交流ができる機会が生まれる。 私はKASANEOのこのような活動に参加したいと思い、スナップ撮影イベントに同じ大学に通う日本人の友達と一緒に参加することにした。 これを通じて私は既成世代の服を着てスナップ撮影をするモデルとして参加し、既成世代の方と交流できる機会を得ることになった。 スナップ撮影の場所は学校に近いところだったが、日本に来て一度も行ったことがない場所だった。 その町は秋の紅葉がきれいに染まり、京都の伝統的な雰囲気が感じられる素朴で平和な町だった。 平和な町内での撮影は、カメラを担当するサークルの学生と撮影を手伝うスタッフ役の学生、KASANEOに服を譲ってくれた高齢者の方達と一緒に行われた。 私たちはどこでどのような構図とポーズで写真を撮るかを決めるためにみんなで意見を出しあった。 このような対話を通じて、私たちはお互いに近づくことができた。 おじいさんとおばあさんは写真を撮るたびにきれいだと褒めてくれたり、ポーズを教えてくださるなどと撮影に積極的に参加して、私に暖かく接して下さった。 私はこのスナップ撮影は、ただ単純に服を着て撮影をするだけではなく、日本の既成世代の思い出が込められた服を着て直接的に疎通する貴重な時間だったと思う。  日本の大学でたくさんの友達を作ろうと考えていた留学前の私では想像もつかないであろう、30歳以上年齢差がある友達を作れることができたのだ。だから私は留学生活の中で、この日の時間が一番楽しくて意味のある時間だったと思った。 残りの留学期間は、どれほど多様な人たちと出会い、どれほど多様で面白い活動ができるのかという期待と共に、これからはもっと面白い留学生活が繰り広げられそうだという楽しみで胸がいっぱいだ。